あかもんの保守をやっていて最近立て続けに受けた顧客からの問い合わせは、いずれもスマホサイトに関するものだ。その背景にはGoogleのスマホサイト優先の動きが顕著になっているという事情がある。今ままでは、なんとなくレスポンシブ対応で問題なかったかもしれない。しかし、これからはスマホサイトを本気で運用する場合、スマホサイトはスマホサイトとして専用で設計する必要がある。
目次
- スマホサイトが不要なのはBtoBサイト
- スマホ対応が必要な場合
- 適切なCMS選び
スマホサイトが不要なのはBtoBサイト
とは言え、単にスマホサイトを作ればいいわけではない。あなたの運営しているウェブサイトにスマホユーザーはどれくらいいるか、による。ウェブサイト閲覧者の9割がパソコンからならスマホサイトは必要ないだろう。BtoB企業の場合、閲覧者は就業時間帯にオフィスのパソコンから閲覧しているわけで、少ないスマホ閲覧需要にコストをかける必要はない。むしろパソコン用のウェブサイトに注力するほうが費用効率がいい。
あるいはシニア層が顧客の中心という場合でもスマホサイトは不要だ。ウェブサイトを問い合わせを増やすための窓口と位置付ける場合、いくらスマホ対応をしてSEOの上位表示がうまくいったとしても、そもそも需要がなければ意味がないからだ。
スマホ対応が必要な場合
一方で、アクセス解析でスマホユーザーが3割を超えているならBtoC企業なら、本気でスマホ専用サイトを設計するのには意味がある。専用のスマホサイトがなくても多くのスマホ閲覧者がいるなら、スマホ専用サイトを作ることでユーザー体験が快適になる。場合によっては専用アプリを作るのだってありだ。
レスポンシブの欠点
先ほどから「スマホ専用サイト」という言葉を何度も書いているが、これには訳がある。というのもレスポンシブ対応には欠点があるからだ。レスポンシブ対応はパソコンもスマホサイトも同じソースコードが読まれるのだが、スマホサイトに必要のないソースコードまで読まれるわけで、つまり余分な通信が発生し表示が遅くなっているのだ。だから本気のスマホサイト対応をする場合、レスポンシブでは当然ダメなのだ。
スマホ専用サイトは単にデザインを小綺麗にまとめるだけではダメで、ユーザーエクスペリエンスまで含めて考えサイト設計をする必要がある。だからスマホアプリをたくさん使っている人が設計したり、検証したりするといい。あまりスマホを使わない人が担当になってしまうと、スマホアプリの操作感、デザイン性などの感覚を持っていないため担当者としては不適格だ。
適切なCMS選び
さてレスポンシブではなくスマホ専用サイトを作成するには対応しているCMSを選ぶ必要がある。WordPressを使用している人が「とりあえずスマホ用の拡張機能を使えばいいや」くらいの軽い気持ちではユーザー体験は快適なものとはならない。これを解決するにはスマホ専用ページを生成しPCサイトとSPサイトをは別管理できるCMSである必要がある。
そういうCMSでウェブサイトを運用する以上は、PCサイトとSPサイトのそれぞれをメンテする必要があるわけで、つまりスマホ専用サイトを構築するにはそれなりに大変だということだ。しかし、それくらいの手間をかけないとGoogleのモバイルファーストインデックスには対応できない。
モバイルファーストインデックスを気軽に考えている人にはショックだろうが、これが現実なのである。