リスティング広告を出稿しているけど、コストがかかるだけでコンバージョンが上がらない リスティング広告でとりあえずのアクセス数は集めても、直帰率が高かったり、肝心のコンバージョンに至らなかったりすれば広告費はダダ漏れするいっぽう。あなたの運営するウェブサイトがずっとそういう状態なら、なにか問題があると考えたほうがいい。どうやってこの問題を解決すればいいか、この記事で考えてみる。
目次
- 豆腐屋のおやじがやった地図分析
- アクセス解析で地道に勝ちパターンを見つける旅を続ける
- コンバージョン改善のための地味なコツ
豆腐屋のおやじがやった地図分析
サービス業の人と話すとよく言われるのが「読めない」。客の入りが多かったり少なかったりして読めない。10年客商売をやっても相変わらず「読めない」。ある豆腐屋のおやじもそんな悩みを抱えていた。冗談みたいに売れる日がある一方、まったく売れない日もある。よく売れる日は豆腐が足りなくなり、売れない日は廃棄が多い。「このムラを何とかしたいなぁ〜」と悩むが、状況はいっこうに改善されない。ある日このままではやっていけないと思い、おやじは知恵を絞って考えた。
「まったく売れないわけじゃない。売れる時もあれば、売れない時もある。とりあえず、色々なことを記録してみよう。」豆腐屋のおやじは自分の商圏の地図を用意し、そして以下のようなデータを詳細に記録し始めた。
- 商売した場所
- 商売した時間帯
- 売れた豆腐の数
- 買った人数
- 天気
様々なことを記録してデータを分析していくと、色々なことが分かってきた。「理由は分からないけど、なぜかこの曜日にこの場所に行くと売れる」、「天気が良く、人通りも多いけどどう頑張っても売れない日がある」。こういった分析を続け、おやじは最も効率のよい売り方を編み出した。売り上げが最大になり、豆腐のロスが最小になるような売り方だ。おやじは商売に統計の概念を導入し商売に成功した。
アクセス解析で地道に勝ちパターンを見つける旅を続ける
リスティング広告でコンバージョンを得られない人のウェブサイトには、豆腐屋のおやじのような考え方が欠けている場合が多い。昔なんとなく作ったウェブサイトのままで、コンバージョンを上げる工夫を何もしていない。こういうウェブサイトではうまくいかないのは当然で、豆腐屋のおやじのようにウェブサイトに関する統計データをとる必要がある。これをアクセス解析と言う。
アクセス解析は色々なことが分かる。あなたがブログを書いているなら、気合を入れて書いたのに全然読まれていない記事、気軽に書いたのになぜかアクセスの多い記事など、書く人の思いとは裏腹に現実のデータを示してくれる。リスティング広告でアクセス解析をするなら、直帰率や滞在時間が分析指標として大きな役割を果たす。キャッチコピーや写真を変えて直帰率が改善されれば、その分析がコンバージョン改善に向けて好ましい方向に向かっているかもしれないことを示している。少し変えては効果測定し、また変えては効果測定をして、を繰り返すことでリスティング費用をきっちり回収できるようなウェブサイトに変身していく。
こう書くと多くの方は面倒臭いと思うだろうが、その通り。アクセス解析は面倒なのだ。大変な根気を要する。しかしこういう地道な努力がないと、いつまでたっても広告費ダダ漏れのサイトから脱却できない。継続的な分析をすることでしかウェブサイトが改善できないことは、ウェブのプロやECサイト運営者の間では知られた事実だ。
コンバージョン改善のための地味なコツ
面倒この上ないコンバージョン改善への道だが、これを少しでも楽にするには色々なハードルを減らす必要がある。例えばアクセス解析ツールやCMS(ウェブサイト管理・更新システム)を少しでも使いやすいものにするとか、デザイン作業を外注するとかだ。もちろんいずれもコストのかかることだが、こういった諸々の微調整をし、ページ更新からアクセス解析を含む一連のフロー全体を最適化していくことで初めてリスティング広告にかけた費用を利益に転換する体質ができあがる。大変なのだ。でも大変だからと言って気軽に広告の出稿をしているだけだと、Googleを稼がせているだけだ。
さて、豆腐屋のオヤジの話とアクセス解析についてはウェブ解析入門という書籍があって、これに詳しく書いてあるので、じっくり勉強したい方はぜひ読んでみて。