2016/08/23

少子化時代に大学がウェブ活用して学生を集める方法をウェブ担当者が考えてみた

広報・Web担当者向け早川朋孝

少子化が叫ばれて久しいですね。少子化問題は先細る一方の日本経済の根源的な問題です。8/5の朝日新聞の記事「短大学生数12万人、ピークの4分の1 文科省調査」によると受験者数も大学の数も減る一方のようです。

こういった時代に大学はいかにして学生を集めるか、知恵と工夫がなければ大変に苦しいです。大学の企画・広報の担当者は大変でしょう。慣れないウェブサイトの運用、SNSアカウントをどう活用するかなど、課題は山積です。そこで、今回の記事ではWebディレクターが、明るい未来に向かって大学が学生を集めるIT活用について真面目に考えてみました。大学の広報担当者は必読ですよ!

目次

  • あっちゃいったりこっちいったりしないためのコンセプト固め
  • ウェブサイトのCMSをどう選ぶか
  • 例えば教育アプリとか
  • 近い未来を想像する

あっちゃいったりこっちいったりしないためのコンセプト固め

他校との差別化を図るには独自性を打ち出すしかありません。魅力的な大学になるために大学としてどういう取り組みをしているか、日々考えどんどん外にアピールする!あなたが大学の広報・企画担当者なら、一番時間を割くべきはこの課題について考えることです。日々の雑務に追われて考える時間が減っていくと、ずっと打開策が得られずいつまでも学生を増やすことができません。

Webデザイナーがホームページを作る際、まずコンセプト作りに一番時間をかけます。最近弊社でシステムを担当した某牛丼屋さんのホームページも、デザインのコンセプト固めに一番時間がかかったと聞いています。その期間はなんと6ヶ月のプロジェクトで4ヶ月くらいだとか。この期間こそコンセプト固めの重要性を示す数字だと思います。

コンセプトが固まらないと、色々な物事があっちゃいったりこっちいったりします。結果的にコンセプトを固めるより時間がかかってしまう。Web制作の現場でよくあるのは例えばこんなこと。腕の悪いWeb制作会社は顧客の言うことを何でも聞いてしまい、よく分からないホームページが出来上がります。顧客の言うことを聞いたのに、顧客満足度が低いのです。あなたがこういった混乱を嫌うなら、学生確保のためのコンセプト固めの時間をきっちりとることが一番大事です。もちろん最優先で!

  • 誰に
  • 何を
  • どうやって

あっちゃいったりこっちいったりしないためには、この3つの問いをしっかり考えて答えを固めてから、他の物事を進めていきましょう。この方法、最初面倒だけど間違いないです。

ウェブサイトのCMSをどう選ぶか

※CMSとはホームページを管理するためのシステムです

企画広報の担当者が自分の専門分野に専念するには、余計な雑事や心配事に時間をとられていてはままなりません。せっかくコンセプトを固めたのに、システムが難しくてスムーズな情報発信ができなくては意味がありません。CMSはパソコン初心者でも扱えるようなシステムが望ましいです。いくら高機能・高価なCMSであっても、利用者が上級者を想定しているシステムもあります。実際の運用の現場のレベルに合わせたシステムを選びましょう。

ポイントは「wysiwyg」という言葉です。ウィシウィグと読みますが、この意味は、例えばホームページの文章を編集する際、編集の画面は複雑なプログラムが表示されるのではなくホームページのデザインがそのまま表示され編集できるというものです。一言で表現するなら「見たままで編集できる」とでもいいましょうか。こういった編集画面を採用しているCMSなら、初心者でも簡単に運用できますし、上級者であってもすぐに編集ができます。

この観点からすると、CMSで有名なWordPressは候補から外れます。WordPressは上級者が使うにはいいかもしれませんが、初心者に扱いは難しいうえセキュリティに難があるので堅い企業や団体には向きません。商用CMSを選ぶようにしましょう。手前味噌ですが、例えばOrange Mediaとかオススメです(笑)。

商用CMS5選 【ウェブ制作会社・広告代理店向け】

他に留意すべき点がたくさんあります。若い人にホームページを見てもらいたいなら、スマホ対応は必須です。スマホ普及率は携帯端末の五割を超え、今時の若者の多くはスマホでホームページをチェックします。だからCMSがスマホ対応している必要があります。

このように、できる対策を一つ一つ積み重ねてあらゆる面で確度を上げて初めて、学生を獲得するという結果につながるのではないでしょうか。

例えば教育アプリとか

スマホにはプッシュ通知という強力な機能があります。テレビ番組、SNS、ゲーム、雑誌、映画など情報が氾濫する現代は、届けたい人に情報が届かない時代です。メルマガやダイレクトメールは認知すらされずに捨てられます。こんな状況でも届くのがスマホのプッシュ通知です。スマホ所有者の手元に届くプッシュ通知は、かなり高い確率で認知されます。この事実に気づいている多くの企業は、自社独自のスマホアプリをすでに持っています。

大学も学生むけに、あるいは対外的な情報発信の強化の一環としてスマホアプリがあってもいいでしょう。スマホアプリの活用の仕方は情報発信だけではなく、色々あります。教育アプリ、学生の出欠席確認、卒業生向けの情報など、想像力が広ければ広い分だけスマホアプリ活用の可能性が広がります。

例えば、台風の休講情報をCMSで発信し、在学生のスマホにプッシュ通知するなんてことも可能です。

近い未来を想像する



最近盛んに耳にする人工知能という言葉。こんなハイテクも実は身近なものとなっています。あなたがiPhoneを持っているなら、Siriという機能でスマホに話しかけて質問することができるのはきっとご存知のはず。その裏の仕組にはAIが用いられています。このAI、もちろんCMSやスマホアプリにも搭載可能です。これは遠い未来の話ではありません。

CMSに入っているAIがどんな役に立つかというと、例えばこんな感じでしょうか。

  • 学生のよく使うキーワードをAIが学習して広報担当者に教えてくれる
  • 広報担当のアピールしたい情報の伝え方の欠点を改善してくれる
  • 人工知能が日本語の情報を諸外国に翻訳してくれる
  • 障害者むけの分かりやすいページを人工知能が作ってくれる
  • 新聞に出した広告のアンケートを集計してくれる

他にもきっと色々なアシストをCMS搭載の人工知能がしてくれるはずです。あなたもぜひ一度、便利な未来を想像してみてください。想像可能なことはきっと実現可能ですから。

最後に

少子化時代に成果を出すのはどんな業界・業種でも大変です。他社との差別化を図るという点を、日頃から考え磨きつつけなければならないからです。こういう状況で大事なのは私は想像することだと思います。日々の業務に忙殺されて大事なことを考えるのを怠ったり、楽しい想像をしないと、どんどん苦しくなってしまう。

だから、忙しくても考える時間はぜひ確保しましょうネ!

この記事を書いた人
浜田 友世
公立はこだて未来大学卒。エスキュービズムに新卒入社。入社後、エスキュービズム・テクノロジーにて製品サイトのデザイン、マーケティングを担当。サイト構成考案、デザイン、コーディングから、ディレクションまでを経験。現在はエスキュービズム通商のマーケティンググループにて、Webだけでなく製品のパンフレットやチラシなどのグラフィックデザインも任されている。
この記事を書いた人
早川 朋孝

上場企業へのCMS提案・導入経験が多数あり、「あかもん」の使い方を120%マスターしている。豊富な運用経験に基づくサポートに自信がある。ワードプレス、MT歴はどちらも10年を超えるがCMSの魅力は「あかもん」のほうが上と確信している。趣味は読書など。


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