2016/01/14

Movable TypeがAmazonで購入可能になったのをヒントにBtoB企業ができることを考えてみた

CMS早川朋孝

まずはこちらのプレスリリースをご覧ください。Movable Type ソフトウェア版がAmazonで購入できるようになりました。Amazonで売っているものはBtoCのものが基本だと思っていましたが、Movable TypeのようにBtoB需要の商品も扱っています。Amazonの多角化が進んでいるのが見てとれます。またMovable Typeの方はかつてのインストール型のCMSから、ASPでオウンドメディアが構築できるツールとしてサービスが進んでいます。こちらも多角化が進んでいると言えます。

さて、あなたの会社はどうでしょうか。

上のニュースから分かるように、BtoB企業であっても頑張って自社商品の独自性、利便性、普遍性などを高めていけば、Amazon側から「うちで売らせてくれ」と営業してくるかもしれません。もちろんAmazonで売りに出されたからといって、それがすぐに売り上げにつながるとは限りません。しかし、Amazonという誰でも知っているECサイトでBtoB商品が扱われていれば、ネタになります。「うちの商品Amazonで売ってるんですよ」と色々なところに営業で入りやすくなります。Amazonというブランドで社会的認知度が担保されることで、BtoBの地味な製品やサービスがブランド化されるわけです。BtoBでもブランディングは大事なのです。

ということで、この記事ではBtoB企業が自社ブランディングをオウンドメディアを使ってどのように進めるかを考えてみます。

目次

  • BtoB企業が営業しやすくするにはオウンドメディアが有効
  • BtoBの中小企業が大企業と取引したい場合
  • BtoBの中小企業がBtoCとして事業展開したい場合
  • BtoB企業のオウンドメディアの事例
  • 最後に

BtoB企業が営業しやすくするにはオウンドメディアが有効

安定したBtoB企業であれば、営業手法は確立されていてあまり新しいことに挑戦する必要がないと考えるかもしれません。しかし、こちらの記事お客様との対面販売が中心のBtoB企業でWebをどう活用すべきか? クボタのWebマスターに聞いたにあるように名の通ったすでにブランド化されている企業でも、グローバルサイトのリニューアルをするなどの新たな販路の開拓に時間や人的資源などを投資しているわけです。グローバル資本主義の今のこの時代、地味なBtoB企業でも「会社案内のようなホームページがあればいい」という考えではいずれ危機に見舞われかねません。

この危機に対して、生き残ることに必死な会社はオウンドメディアによるWebブランディング取り組んでいたり、何らかの努力をしています。BtoB企業がオウンドメディアを構築するにあたって有利な点は、ニッチなだけにビッグワードでSEOをする必要性がないという点ではないでしょうか。SEOに血道を上げる必要がない分、その余力をオウンドメディアのプラニングや品質に力をさくことができます。では、BtoB企業がどのようにオウンドメディアを活用するか、いくつかのケースを考えてみます。

BtoBの中小企業が大企業と取引したい場合

「うちの技術はすげーんだぜ」と自信のあるBtoB中小企業の経営者なら、「大企業と安定した取引をしたい」と考えるのは自然なことです。こういう場合、ただの会社案内のようなホームページでは大企業との取引は望めません。なぜなら大企業の担当者が忙しい勤務中にわざわざネットサーフィンをして取引先を探すでしょうか。ちょっと考えにくいですよね。だから大企業と取引したい場合、営業をかけるしかない。競争相手は多いでしょうから、熾烈な競争となります。うまく契約にこぎつけても、足元をみられて値下げを要求される可能性もあります。「じゃあ他の会社にします、代わりはいくらでもあります」と担当者に言われたら、中小企業側は何も言い返せないでしょう。この苦しい立場を逆転させる手段の一つがオウンドメディアです。

魅力的なオウンドメディアの場合、BtoB企業のオウンドメディアに興味を持った大企業の担当者からの引き合いとなります。つまり最初から興味を持ってくれたインバウンド営業となります。きわめて有利な状況から営業を開始できる。これなら不当な値引きに対抗できます。

魅力的なオウンドメディアならばFacebookのようなソーシャルで話題になるなどして、自ずと大企業の担当者の目にとまる可能性が高まります。「こんな取り組みをしている会社はどんな会社だろう?」と担当者は思うでしょう。

BtoBの中小企業がBtoCとして事業展開したい場合

こういう需要ってけっこうあると思います。事業の多角化によって経営の安定化を図ろうとする。問題は、BtoB企業はBtoCの営業ノウハウがないということです。BtoBとBtoCとでは営業の性質がまったく異なります。だからBtoBがBtoCに参入する際は集客で苦労すると思います。いくらBtoBで培った歴史や技術があっても、その魅力を一般顧客に伝えるのには工夫が必要です。

というわけでオウンドメディアの出番です。オウンドメディアを始めるといっても、最初から魅力的でアクセスの多い状態にすることはできません。定期的に情報を発信するという地道な取り組みを継続していくなかで、どういうコンテンツならウケがいいか、どういうコンテンツだとソーシャルでシェアされるかなどのノウハウが蓄積されていきます。そうした中で、徐々に、欠けていた顧客視点が養われていくでしょう。

蓄積されたBtoC向けの顧客視点をBtoBにフィードバックして活用すれば、元々のBtoB事業も充実します。

BtoB企業のオウンドメディアの事例

あまり抽象論ばかり展開しても仕方がないので、より具体的なイメージを持ってもらうべくBtoB企業のオウンドメディアの事例をいくつか挙げてみます。

株式会社エフエス

http://www.fs-ltd.jp/

ここはソーシャルで話題になるほどのオウンドメディアではありません。ブログの更新もとまったまま。しかし、「旋盤加工」を「ローリングサンダー」と名づけているように、ニッチなBtoBの世界をなんとか広げようと工夫している点において、オウンドメディア的な取り組みをしていると言えます。私はこの会社の金属加工とか旋盤加工に関しては門外漢ですが、面白いのでついつい全ページ読んでしまいました。閲覧者に読ませる工夫がすばらしいと思います。中小のBtoB企業にとってすごく参考になると思います。

株式会社LIG

http://liginc.co.jp/

LIGはあまりに有名なため改めて紹介するまでもないのですが、Web制作会社はBtoB企業なので紹介します。彼らはWebの専門家なので、そうでないBtoB企業がこのクオリティのオウンドメディアを構築するのは困難でしょう。それでも、LIGのウェブサイトがどういう点がオウンドメディアとして評価されているのか、という観点で見てみると新しい発見があるかもしれません。デザインなどの表面的なことではなく、発信されている情報それ自体に着目してチェックしてみてください。

「IT×○○」のミライを考えるブログ

http://ec-cube.ec-orange.jp/blogs/

Pos端末やECサイトのパッケージを開発しているエスキュービズム・テクノロジーのオウンドメディア。小売というテーマを基軸として情報を発信している。注目して欲しいのはFacebookページのファンの数。2016/1/14現在2687とBtoBにしては健闘しています。このファンの数はオーガニックなものと推測されます。つまり自然と増えた「いいね」なのです。「いいね」を金で買うようなことをしても、オウンドメディアとしての価値は上がりません。地道に得られるオーガニックなファンこそ、オウンドメディアの価値を高めてくれます。その証拠に、このブログから良質なインバウンドの引き合いが安定して得られているそうです。

最後に

上記の事例からどういう情報を発信すればいいか、どうすればオウンドメディアとして魅力的になれるか、そのヒントが見られます。「BtoB企業がオウンドメディアなんて取り組んでも無意味」と諦めている方。どんな会社にもそれぞれの歴史があります。身内ネタでもちょっと見せ方を工夫すれば、魅力的なコンテンツに仕上げることができるのです。

なぜなら、他社の事情や取り組みって誰でもちょっとは気になるものです。ビジネスマンは意外と自分の会社という狭い世界しか知らないので、他の会社のことってあまり情報が入ってこない。転職をたくさんした人でも数社程度の事情しか知らないわけです。だから例えば以下のような素材はオウンドメディアのネタになり得ます。

  • 会社の歴史
  • 商品開発秘話
  • 社会的取り組み
  • 顧客との関係
  • 人事評価制度

ありきたりのネタでも、会社案内のように殺風景な方法ではなく顧客視点を導入して情報発信すれば、魅力的なオウンドメディアになるのです。ぜひ試してみてください。

ちなみに、人事について書いた【採用担当者必読!】 小予算でオウンドメディアを運営して優秀な人材を募集する方法がなかなか好評でした。AdverTimesで2日連続で1位。よろしけば、ついでに読んでいってください。

この記事を書いた人
浜田 友世
公立はこだて未来大学卒。エスキュービズムに新卒入社。入社後、エスキュービズム・テクノロジーにて製品サイトのデザイン、マーケティングを担当。サイト構成考案、デザイン、コーディングから、ディレクションまでを経験。現在はエスキュービズム通商のマーケティンググループにて、Webだけでなく製品のパンフレットやチラシなどのグラフィックデザインも任されている。
この記事を書いた人
早川 朋孝

上場企業へのCMS提案・導入経験が多数あり、「あかもん」の使い方を120%マスターしている。豊富な運用経験に基づくサポートに自信がある。ワードプレス、MT歴はどちらも10年を超えるがCMSの魅力は「あかもん」のほうが上と確信している。趣味は読書など。
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